桃太郎伝説  
桃太郎伝説

本家は香川県?桃太郎伝説香川県説に関して

「桃太郎」といえば、岡山県というイメージが強いです。
しかし、岡山県以外の県にも桃太郎伝説はあります。
今回はその中のひとつ香川県に存在する桃太郎伝説に関する興味深い話を紹介しようと思います。

産経新聞記事(一部編集)

“香川の桃太郎”の主人公は、弟の稚武彦命で、ストーリーも微妙に異なる。伝説によると、稚武彦命は、香川の一宮に住む姉の倭途途日百襲姫命(やまとももそひめのみこと)を訪ねた道中、川で洗濯していたおばあさんと出会い、かねてより子供をほしかった老夫婦に気に入られ養子となる。当時、この地の住民は女木島(めぎじま=通称「鬼が島」、高松市沖の瀬戸内海に位置)にこもる海賊の被害に悩まされており、話を聞いた稚武彦命は早速、海賊退治へと向かう―というのが、香川側のあらすじだ。
 香川の桃太郎は、岡山と比べると、ゆかりの地の多さが際立っている。まず、墓の所在地とされるのが、高松市鬼無(きなし)町にある「熊野権現神社」だ。そもそも「鬼無」という地名が“鬼退治”を連想させるうえ、神社では1988年から「熊野権現桃太郎神社」という愛称も用いられている。
 神社の最寄り駅はJR予讃線の「鬼無駅」。JR四国も、2000年から愛称「鬼無桃太郎駅」を併記する熱の入れようだ。ホームには、人気ゲームソフト「桃太郎電鉄」のキャラクターが鎮座している。石造りの堂々としたオブジェは、ソフトの制作会社「ハドソン」が2002年に寄贈。ゲームに登場する貧乏神キャラまで並んでいるのはご愛敬だ。
 熊野権現桃太郎神社の最寄り駅、JR四国の「鬼無」駅。ホームには「桃太郎電鉄」のキャラクターのオブジェがある。石造りのベンチになっている。
 駅から神社まで徒歩10分の道のりでは、途中の本津川(ほんづがわ)に“ここが、桃太郎のおばあさんの洗濯場”の看板が掲げられていたり、「鬼が塚」という石碑があったり、近隣の交番の愛称が「桃太郎駐在所」(正式名称は「鬼無駐在所」)だったり……。駐在所の正面には、桃太郎とお供たちのイラスト掲示板も掲げられるなど、街は“桃色”に染め上げられている。
 「鬼無」と「鬼が塚」の関係も面白い。伝説によると、稚武彦命は「鬼が島」の海賊たちを降参させ、宝物を手に凱旋したのだが、あきらめきれぬ海賊たちは後日、宝物を取り返しにやってくる。そこで命は、「せり塚」という場所で返り討ちにし、海賊を全滅させる。このとき、屍(しかばね)を埋めた地が「鬼が塚」で、以後この地方には海賊=鬼がいなくなり、「鬼無」と呼ぶことになったのだという。
 洗濯場、鬼が塚を過ぎて坂道を上ると、目的地の桃太郎神社だ。屋根瓦に桃の飾りがあしらわれた本殿に上がると、壁には桃太郎の絵が、物語のストーリー順にずらりと並んでいる。
 境内に戻ると、左手奥に真の目的地であるキジ、サル、桃太郎、イヌの「墓」がひっそりと並んでいた。あの有名な桃太郎にしては、墓が粗末で小さいことに驚いたが、風雨にさらされて歴史を感じさせる。家臣と同じ大きさ、というのが桃太郎の博愛精神を表しているかのようだ。
 隣には“おじいさん、おばあさんが一緒に眠る墓”も並んでいるのだが、こちらは地元で縁結びの神とされている。老夫婦が稚武彦命の見識に感じ入り、すぐに縁を結んで養子にしたから、という。
 神社の裏山からは、瀬戸内海の「鬼が島」こと女木島を一望できる。この場所なら、確かに海賊の動向が手に取るように分かるだろう。島の中腹には謎の巨大洞くつもあり、“鬼”が隠れ住むにはぴったりなのだ。
 桃太郎伝説が残るのは岡山、香川両県以外にも全国で7〜8カ所にのぼるとされ、海賊退治の話は、讃岐守だった菅原道真が伝えたともいわれている。ただ、イヌ、サル、キジや鬼などすべての伝説について“状況証拠”がそろっているのは香川県だけのようだ。
 家臣のイヌは備前国犬島の住民▽サルは讃岐国陶村猿王の住民▽キジは讃岐国雉が谷の住民――だったともいわれ、桃太郎の舞台が香川県にまたがっていた可能性は濃厚だ。

情報元

産経新聞ニュース


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